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2011年09月26日

古街道研究における道のでき方の法則

  古街道研究の中のフィールド・ワーク主体の古街道実地調査にかかわって知った言葉、専門用語といえば「ダウン・ムーブメント」が唯一のものであった。古街道の制度史、政治、行政、歴史に関しては、宿駅制、伝馬制、助郷など多岐にわたる概念、専門用語が数多いが、古街道を実際に再発見しようという研究では、これといったものがない。
 古街道における「ダウン・ムーブメント」とは、道は古くは標高の高い所を通っているが、次第に低い所を通るようになるという意味である、とされる。これは古街道以外に登山道の変遷でより実感される。古い登山道が尾根伝いに忠実についていたのが、時代が下るにつれ、より低い所を通り、らくな通貨が可能になるというものだ。
 それにしても、この「ダウン・ムーブメント」という概念は、古街道研究の中で、どのように醸成され、発展してきたのかを知らない。この歴史的流れを知りたいのだが、どのように調査していいものか、から考えるしかなさそうだ。誰か教えていただけないものだろうか。
 ちなみにグーグル検索したが、まったくだめだった。
 この頃の高速道路建設では、あえて人里離れた山の尾根や中腹に通すので、この概念が壊れつつある。例としては「第二東名」や「能登自動車道」である。

 道のでき方には法則があることが知られている。その一つというか、それ一つしか学んでこなかった。しかもいつ誰がなぜそう言い出したかはまったく知らない。
・1.ダウン・ムーヴメントDown Movement、下降運動 
 道は上から下に作り変えられていくという法則。街道で考えるより登山道で考えると分かりやすい。山の尾根伝いに道を作れば山腹のがけ崩れや沢谷を渡らずに済み安全である。しかし山の尾根は最高所であるため、そこまで上ることとあとで麓へ下ることが大変であり、長距離の尾根の場合幾度もピーク(頂)とコル(鞍部、乗越し、峠)を上り下りせねばならず苦しい。時代が下ると登山道はコル同士を水平移動できるよう改善され、途中のピークに上る手間を省くようになる。もっと道路作りの土木技術が進むと、麓から尾根の向こうの別の麓へ中腹だけを通っていけるようになる。さらに発展すると麓から麓へトンネルを掘って直通になる。これがDown Movementである。

 ここから先、私の勝手な考えを述べる。Down Movement以外にも道の発展の仕方があると考えるからだ。
・2.迂回路ムーヴメント、Ukairo(Roundabout、detour) Movement、迂回運動 
 切通しの道が深くえぐれてしまい安全に通行しにくくなると、すぐ横に迂回路、バイパス化のように新たな切通し道が開かれていく。山の峠道や登山道にある。
・3.アップ・ムーヴメントUp Movement、上昇運動 
 時代が下り現代の土木技術においてと道路を作る用地買収や環境配慮により、あえて麓ではなく、山の中腹や尾根伝い沿いに自動車道を作ってしまう。能登自動車道や第二東名高速道路である。